愛知県立大学

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国際文化研究科Graduate School of International Cultural Studies

大学院合同ゼミと研究グループ

国際文化研究科では、大学院合同ゼミ(正式科目名は「国際文化特殊演習」)を開くことで、院生に対する研究指導の効果を高めるとともに、院生どうしが学問的に刺激し合う研究活動の場づくりを進めています。この合同ゼミの枠組みで、現在、フィールド系を中心とする社会科学の分野、多文化状況と言語に関わる現代的な課題を研究する分野、文献史学の研究課題を史学史に照らして考える分野の計3クラスが開講されています。

大学院合同ゼミの運営を担っているのは、近接する分野の教員?院生が集まる研究グループです。カリキュラム表の研究分野区分とは違って、研究の目的意識や中核的テーマで結ばれているのが研究グループの特徴です。2022年度時点で、合同ゼミを運営している「多様性のフィールド学研究グループ」「多文化社会と言語研究グループ」「歴史学の潮流研究グループ」の3つの研究グループが存在します。

国際文化特殊演習

国際文化特殊演習 aクラス

本合同ゼミの中心は、博士前期課程院生の研究発表である。定期的に報告することで修士論文提出に向けた作業を着実に進めるとともに、報告後の活発な質疑応答から有益な助言やヒントが得られるようになっている。また、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。

対象分野

フィールド系を中?とする社会科学の分野(地理学、?類学、社会学、政治経済学など)

運営の中心となる研究グループ

多様性のフィールド学

近年の報告テーマ
  • Chinese Music in a Changing Japan: The Sounds and Meanings of Minshingaku, 1870s to 1930s
  • カタルーニャにおける言語政策―「言語正常化」から「社会統合へ」
  • ドイツにおける憲法保障制度と「憲法の敵」―ドイツ国家民主党とネオナチの音楽を中心に
  • 現代アンデス先住民に息づく民衆宗教
  • 日中の七夕に関する比較研究
  • ヨーロッパ都市の旧市街がもつ価値とは何か―建築?都市計画をめぐる思想史的考察
  • 生活空間としての街路への住民による意味づけ―歴史的集落を起源とするバルセロナ?サンアンドレウ地区の事例
  • 「ヘイトスピーチ」に関する法的問題点―修士論文執筆に向けて

国際文化特殊演習 bクラス

本合同ゼミでは、月2回のペースで研究発表をおこなっており、さまざまなテーマを通じて、積極的な議論がなされている。大学院生10名、学部生1名、教員9名に加え、テーマに応じて、他の教員や院生もオブザーバ参加している。

対象分野

社会言語学、言語教育学、通訳学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生

運営の中心となる研究グループ

多文化社会と言語

近年の報告テーマ
  • 外国人住民の保健医療へのアクセスにおける保健医療従事者の認識について
  • カタルーニャにおける言語政策
  • ウルグアイの日系社会~2世3世に見る新時代~
  • 日露両言語における新借用語の使用
  • 外国人ソフトウェア開発エンジニアと日本人との業務遂行上のコミュニケーション摩擦
  • 今日からできる日本語の工夫とその限界:「やさしい日本語」の考え方と普及の取り組みの紹介
  • 日本人ホストマザーのホームステイ感の変容:パーソナリティ構造の相互関係に着目して
  • 台湾正体字と異体字の混用(誤用)について

国際文化特殊演習 cクラス

本合同ゼミは、文献?考古?美術?思想などを素材に、時代と地域を問わない対象を扱っている。博士前期課程院生の研究発表を中心に、博士後期課程院生や本研究科の教員、関連分野の学外研究者などの報告を聞き、議論を通じて学ぶことができる。

対象分野

歴史学を中心とする人文科学の分野

運営の中心となる研究グループ

歴史学の潮流

近年の報告テーマ
  • 7世紀における日本の礼制継受
  • 日本古代の陰陽道祭祀と鎮めの祭
  • 善如竜王の登場とその特徴─空海伝の内容を分析して─
  • 熊野三山の成立と白河上皇による熊野御幸の関係性
  • 『天文日記』に見る本願寺と公家衆の交流―天下統一論の前提として―
  • 一次史料から考える近世温泉地
  • 内藤湖南の同時代中国史叙述―「内在的理解」を中心に―
  • 児童文学における人形?おもちゃ物語とファンタジー?SFというジャンル
  • 名古屋大学における全共闘運動の展開―参加アクターの多様性に着目して―

研究グループ

多文化社会と言語

代表:東 弘子

人やモノ?情報が簡単に国境を越えて移動する現代において、世界各地で社会の多文化化?多言語化が進んでおり、日本も例外ではない。本研究グループでは、社会言語学、言語教育学、異文化コミュニケーション、エスニシティ、多文化共生といった立場から、主に日本国内の多文化状況と言語にかかわるさまざまな現代的な課題を取り上げ、調査?分析を進める。具体的には、地域社会とエスニック集団の動態、多文化共生施策の研究、コミュニティ通訳、情報保障、外国にルーツを持つ人びとへの日本語(学習)支援、などが課題となる。

構成員

<国際文化専攻>

  • 東 弘子[日本語学、社会言語学]
  • 糸魚川美樹[スペイン語学、社会言語学、医療通訳]
  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史、カタルーニャ地域研究]
  • 小池康弘[ラテンアメリカ政治?外交、キューバ研究、国際協力論]
  • 佐野直子[少数言語(オクシタン語)研究、社会言語学]
  • 高橋慶治[キナウル語記述研究]
  • 月田尚美[言語学、形態論、台湾原住民諸語]
  • 渡会 環[ブラジル地域研究]
最近の修士論文
  • 中国語の「給」の機能に関する考察─日本語と対照しながら─(2020)
  • 『国語日報学生字典』2002年初版と2016年版の比較と考察(2019)
  • 異文化間教育の視点から見たホームステイプログラムのあり方:寮生活を送る留学生の週末滞在に着目して(2018)
  • 顔文字の構成:インターネットにおける非言語コミュニケーションとしての顔文字(2017)
  • 「非定型作品」から見る言語の芸術的機能(2017)
  • 日本語における判断保留表現の真意を探るストラテジー:生命保険営業場面を事例として(2017)
  • 地域社会の外国人自助組織が持つ役割:愛知県東浦町のフィリピン人自助組織 United Filipino Community in Higashiura の事例から(2017)
  • 公共交通機関における多言語表示:名古屋市営地下鉄の駅を事例として(2016)

多様性のフィールド学

代表:竹中克行

本研究グループは、人?情報?資本が飛び交うグローバル世界の動態を明らかにし、環境?文化?社会が複合する人類の多様性を培うための研究実践に到達することを大きな目標としている。研究の方法論として、地理学、文化人類学、地域社会学など、フィールド調査に重きを置く現場主義を共有し、大学院合同ゼミ「国際文化特殊演習(aクラス)」を運営している。

また、国内外におけるフィールドワークに根ざした教育?研究を推進するため、調査実習やそのための教員間の情報交換などを活発に行っている。

構成員

<国際文化専攻>

  • 竹中克行[地理学、地中海都市?ランドスケープ研究]
  • 亀井伸孝[文化人類学、アフリカ地域研究]
  • 秋田貴美子[コミュニケーション学、日米文化]
  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史、カタルーニャ地域研究]
  • 谷口智子[宗教学、ラテンアメリカ地域研究]
  • エドガー?ライト?ポープ[民族音楽学、日本とアメリカのポピュラー音楽史]

<日本文化専攻>

  • 服部亜由未[人文地理学、歴史地理学]
  • 柴田陽一[人文地理学、地理思想史]
最近の修士論文
  • テオティワカン土器の分析と考察―「月のピラミッド」出土の土器群を対象に
  • 多核型コンパクトシティとしてのサンティアゴ?デ?コンポステラ都市圏(スペイン)の特質―都市形態?機能分析より
  • ガイドブックからみるバルセロナの都市イメージの変化―バルセロナモデルの評価に関する新たな視点
  • 関宿の町並み保存の変遷
  • スピリチュアリティに関する宗教学的考察―南インドのオーロビルを事例として
  • 地域社会と移動に関する研究―「係累のない土地へ自発的に移動する人々」がもつ帰属意識の変容
  • 多元的な「郷土」概念に存立する地方郷土研究団体―昭和戦前?戦中期における飛騨考古土俗学会を事例に

歴史学の潮流

代表:上川通夫

歴史学には本質的にグローバルとローカルの視点がある。世界史的な比較、接触地域間の連関確認、日常生活における普遍性の発見、などである。そのこと考えなくても考証論文は書ける。とはいえ、史料に付着する主観、先行研究の認識枠組み、研究主体の世界観などから自由になるには努力がいる。そこで、「すべての歴史的認識は現代史的認識である」という鉄則にあらためて向き合い、研究潮流の由来と問題を掘り下げ、歴史学の行方を考えたい。

構成員

<日本文化専攻>

  • 上川通夫[日本中世史、ユーラシア世界の中の日本中世]
  • 樋口浩造[日本思想史、思想史文化理論]
  • 丸山裕美子[日本古代史、日唐比較文化研究]

<国際文化専攻>

  • 奥野良知[近現代カタルーニャ史?カタルーニャ地域研究]
  • 久田由佳子[アメリカ近代史、建国初期~南北戦争前の社会史?家族史?女性史]

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